LIPUS

●LIPUS（ライプス）とは

LIPUS（ライプス）は、おもに骨折に使用される施術機器です。
超音波の照射によって骨の形成を促進させて、治療期間を従来よりも早くする効果を期待できます。

今までの骨折に対する施術では、骨折した部位を整復・固定した後、骨癒合に関しては自然治癒力に依存していました。
しかしLIPUSを使用することで、骨折の治癒過程を短縮できることが近年の研究によって証明されています。
最近では医療機関に限らず、整骨院でも使用されるようになりました。

●LIPUSの使用方法

LIPUSの使用方法は次のとおりです。

・プローブとよばれる端子を患部に固定する
・その状態で出力の弱い超音波を断続的に照射し、患部に音圧刺激を与える
・施術時間は約20分

超音波による刺激は非常に弱いため、痛みや電気のような刺激は特に生じません。

●LIPUSに対応可能な症状

LIPUSは骨折に限らず、筋肉や靱帯、腱などの軟部組織にも使用することで、症状の改善が期待できるといわれています。
たとえば、LIPUSは次のような症状に対して使用されています。

・捻挫
・打撲
・肉離れ
・関節炎
・腱鞘炎

超音波を照射することで、痛みの緩和や損傷した組織の修復、治癒促進などの効果が期待できるといわれています。

LIPUS（ライプス）による効果は、次のようなものがあります。

●骨折の治癒促進

LIPUSの効果でまず挙がってくるのが、骨折の治癒促進になります。

LIPUSをつかうことで、骨癒合までの期間を40%近くも短縮できたと、臨床実験で明らかになっています。
通常3週間かかる骨折の治癒期間を、12日程度まで短縮できたケースもあります。

●軟部組織の治癒促進

LIPUSは骨折だけではなく、靱帯や筋肉などの軟部組織に対しても治癒促進を図れるとされます。
超音波刺激によって血行が促進され、損傷した部位に栄養や酸素などが運搬されやすくなるためです。
腱鞘炎やテニス肘といった使いすぎによる痛みをはじめ、捻挫や肉離れなどの急性外傷にも対応可能とされています。

●痛みの軽減

超音波刺激は神経にも働きかけるため、痛みを軽減する効果が期待ができます。
外傷はもちろんのこと、ぎっくり腰や寝違え、腰痛といった症状にもLIPUSは有効です。