固定療法

●固定療法

固定療法とは、患部が動かないように固定する施術になります。
患部を固定すると、症状の悪化や患部の変形などを防止する効果が期待できます。
また、筋肉や関節を固定することで、ケガの再発予防やパフォーマンスの向上をもたらす場合もあります。

固定療法には、さまざまな種類があり、目的に応じて固定方法が変わってきます。

●固定療法の種類

固定療法は、大きく2つの種類に分けられます。

・内固定

身体の中に金属などを入れて固定する方法です。
これは、医療機関で手術によって行う方法となります。
強固に固定ができますが、手術を行うため、感染などのリスクがあるといわれています。

・外固定

身体の外から固定する方法です。
整骨院でも行っている固定方法になります。
外固定について、下記にて詳しくご紹介していきます。

外固定の方法はいくつかあり、それぞれに特徴があります。

・ギプス

石膏がついた包帯で、患部周辺を巻いていきます。
ギプス固定では、他の固定方法と比較して、強固に患部を固定できるようになっています。
また石膏には、外からの衝撃に対して患部を保護する役割も期待できます。
現在では、より軽量で強度もあるガラス繊維（グラスファイバー）製のものが主流となっています。

・副木(そえ木)固定

副木とは、石膏、 グラスファイバー、アルミニウムなどでできた細長い板のことで、シーネともいいます。
骨折しまた部位にあてて、 弾性包帯やテープで固定します。 患部の腫れがひくまでの、骨折の初期治療によく用いられます。

・包帯

一口に包帯といっても、さまざまな種類があり、症状に応じてつかう包帯が変わります。

しっかり患部を固定したい場合は、伸び縮みしない包帯を使用します。
一方、ある程度ケガの状態が回復した場合や、スポーツ時のケガ予防で固定したい場合は、伸縮性のある包帯で患部を固定します。
また、伸縮包帯は固定に限らず、気になる部位を保護する目的で使用されることもあります。

・テーピング

患部を保護するためにテープを貼ることがあります。
包帯と同様にテープにも伸縮性の有無があり、固定の場合は伸縮性がないものを選ぶことが多いです。

固定療法は、おもに3つの目的で行われます。

●患部の修復

骨や関節を正しい位置に固定することで、患部の安静を保てます。

固定をしないと骨や関節が本来の位置で修復せずに、後遺症が残ることもあります。
そのため、骨折や脱臼といった重度の外傷の場合、修復期間はしっかりと固定することが大事になります。

安静目的で患部を固定する場合は、ギプスや包帯などがおもに使用されます。

●ケガの予防

痛めた関節や筋肉などを保護して、ケガの再発防止を目的として固定を行う場合があります。
ケガ予防で固定する場合には、包帯やテーピングなどがおもに使用されます。

上記の固定具は、どちらも伸縮性のあるものを使用する場合が多いです。
また患部を保護しておくと、「またケガをしたらどうしよう」という不安が軽減するため、スポーツにも復帰しやすくなります。

●パフォーマンスの向上

テーピングには、筋肉の動きをサポートする働きや、逆に緊張をやわらげる働きなども期待できます。
筋収縮力が回復したり、身体のバランスが良くなることで、スポーツのパフォーマンス向上を目指せます。